わたしは、物心ついたときから父親のことが大嫌いで大嫌いで、
ずっとストレスを感じて生きてきた。
あぁ……わたしには「父親」はいなかったんだなぁ………
と、さみしく思った。
母親が「隠れ毒親」であると気づいたとき、
母から注がれていたのは真の愛ではなかったのだと知った。
あぁ………わたしには「母親」もいなかったんだ………
足元の地面が奪われた気持ちになった。
「はぁ………家に帰りたい………」
今いる場所は、事実上わたしの「家」であるはずなのに、
そう思った。
「家に帰りたい………」
「おかあさんに会いたい………」「おとうさんに会いたい………」
と、思った。
現実には存在しないものに、思いを馳せた。